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サポート校の選び方サポート校とは
現在は、さまざまな学び方が選べるようになっており、高校は全日制高校だけではなく、定時制高校、単位制高校など、進学先の幅が広がっています。
そのような中で、通信制高校は、生徒自身のペースで学ぶことができ、スケジュールを比較的自由に組み立てることができることから、進学先として選ぶ生徒も年々増えています。学業面だけではなく、体調面も考慮に入れながら無理なく卒業していけることも大きな魅力の一つとなっています。
しかし、通信制高校はメリットだけではなく、考えなければならない3つの課題が存在することも事実です。
3つの課題
- 卒業率が不安定
- 進路決定率のばらつき
- 社会性を育むサポート
これら3つの課題が解消されれば、通信性高校に安心して通うことができるでしょう。実は、これらの課題を解消して、よりよい高校生活を送ることを支援するのが、サポート校なのです。
サポート校とは、通信制高校という形式の教育を受ける生徒を支援するための教育施設を指します。生徒の自宅学習をサポートするだけでなく、各種資格試験の受験サポートや進路指導など、さまざまな形で生徒たちを後押ししています。そして、サポート校は、通常の学校に比べて勉強以外の面でも生徒をサポートし、社会性や人間関係の形成にも重点を置いた教育を行っています。
サポート校のことは、時折、「通信制サポート校」と呼ばれることがあります。正確には、通信制高校の教育を受ける生徒をサポートするための教育施設のことを言います。したがって、「通信制高校をサポートする施設」と表記するのが本来でしょう。このようなこともあって、世の中一般には、「通信制サポート校」という言い方もあるようです。本文では、サポート校と呼ぶことにします。
サポート校と通信制高校との違い
サポート校は、学校教育法では高校とは定められてはいません。通信制高校に籍を置き、その卒業をサポートする学びの場がサポート校となります。
サポート校は、基本的に、通信制高校と連携していますから、サポート校に入学すると、連携する通信制高校にも入学することになります。そして、サポート校で支援を受けながら通信制高校の単位を取得していき、規定の単位を獲得することで、高校卒業資格を得るという仕組みになっています。
項目 | サポート校 | 通信制高校 |
---|---|---|
法的位置づけ | 学校教育法上の高校ではない | 学校教育法上の高校 |
役割 | 通信制高校の卒業をサポート | 単位の修得と卒業資格の付与 |
入学方法 | 通信制高校と連携して入学 | 直接入学 |
単位修得方法 | サポート校での支援を受けながら通信制高校の単位を修得 | 自宅学習や面接授業などで単位修得 |
卒業要件 | 通信制高校で規定の単位を獲得することで高校卒業資格を得る | 規定の単位を修得することで高校卒業資格を得る |
サポート校の特性
サポート校の特性は、一人ひとりの生徒に対して個別にサポートを行う点にあります。通信制高校は、教職員と生徒が直接面と向かって学習を進める学校制教育とは異なり、基本的に自宅で学習を進めるため、自律性や自己学習能力が求められます。この点で困難を感じる生徒のために、サポート校が存在しています。
サポート校では、定期的に開催される授業や相談会で、生徒と教職員が直接対話することで、生徒の学習状況を把握し、必要に応じて指導内容を調整します。そして、学習だけでなく進路指導や生活面での相談にも対応し、生徒が自立するためのサポートを提供しています。
サポート校のサポート体制は、様々であることに注意しましょう。一般的な高校と同じように集団的にサポートするところもあれば、少人数で個別対応してサポートするところもあります。そしてまた、無資格者がサポートするところもあれば、教員免許をもった有資格者がサポートするところもあります。中には、国家資格である公認心理師などが常駐するサポート校もあります。これらの体制は、サポート校によって大きく異なりますので、問い合わせてみるとよいでしょう。
サポート校の役割
サポート校の役割は、生徒が安定して学習を進めるための環境を提供することと言えるでしょう。具体的には、自宅学習の進捗管理、学習指導、進展確認、その他関連する相談対応などがあるのです。
教材や勉強法についてのアドバイスや指導、進学や就職に向けての具体的なアドバイスなども行います。また、サポート校は生徒の社会性を育む場としての役割も担っており、交流会やスクールイベントを企画し、生徒同士の交流をサポートします。生徒が自立し、未来に繋がる道を自分で選択できるようにサポートすることが、通信制サポート校の最も重要な役割と言えるでしょう。
通常の学校との違い
通常の学校とサポート校の最も大きな違いは、教育方法にあります。通常の学校は、教室で教師が指導を行い、生徒間の交流を通じて人間関係を形成します。しかし、通信制高校とそのサポート校は、生徒の自律性を重視し、自分自身の学習計画を立てて進行します。
サポート校は、たとえば通常の学校では時間の都合上難しかった資格試験の受験準備や、特定の進学先への対策など、生徒ひとりひとりのニーズに応じた教育を提供します。そのため、通常の学校に比べ、柔軟に個々の生徒に応じた教育を行うことが可能であり、その結果教育の質と効果が向上すると考えられます。サポート校の存在は、多様なニーズを持つ生徒たちにとって、非常に重要な役割を果たしています。
項目 | 通常の学校 | サポート内容 |
---|---|---|
教育方法 | 教室で教師が指導、生徒間の交流を通じて人間関係を形成 | 生徒の自主性を重視、自分自身の学習計画を立てて進行 |
教育内容 | 一般的な授業内容 | 資格試験の受験準備、特定の進学先への対策など、生徒ひとり1人のニーズに応じた教育を提供 |
教育の柔軟性 | 比較的固定的 | 個々の生徒に応じた柔軟な教育が可能 |
教育の質と効果 | 標準的 | 個々のニーズに応じた教育により、質と効果が向上する可能性 |
役割 | 一般的な教育 | 多様なニーズを持つ生徒に対して重要な役割を果たす |
通信制サポート校3つの魅力
自分のペースで学べる
通信制サポート校の数ある魅力の一つとして、自分のペースで学べるという点が挙げられます。一人ひとりの学習速度や理解度は異なります。教室の中で全員に一律な学習が求められる従来の学校生活とは違い、サポート校ならそれぞれの目標とペースに合わせた学びが可能です。例えば、ある科目については短期間で精通でき、他の科目については時間をかけてじっくりと取り組むなど、自分に合った組み立てができます。これにより、必要な知識をしっかりと身につけ、自己成長を伸ばすことが可能となります。
個別学習が可能
次に、サポート校で可能な個別学習の魅力について語りましょう。講師が一人ひとりの生徒に対して個別に対応し、それぞれの理解度や学習進度に合わせた教材を提供します。これにより、自分が苦手とする部分を重点的に学習することが可能となり、全体の学習効率も高まります。また、個人の目標を達成するための具体的な学習計画を講師と一緒に設定できるため、自分自身の学びに対するモチベーションも高まるでしょう。
広い交友関係が持てる
サポート校のもう一つの魅力として、広い交友関係を持つことができる点が挙げられます。サポート校にはさまざまなバックグラウンドや価値観を持つ生徒が集まります。それぞれが自分自身の経験や知識を共有することで、自分の視野を拡げ、他者理解を深めることができます。このような人脈は、学生時代だけでなく、将来社会に出た時にも生かされるでしょう。さらに、新たな人脈を築くことは社会性を高めるだけでなく、自己の価値観や考え方を広げるチャンスにもなります。この点がサポート校の大きな魅力と言えるでしょう。
選ぶ際に重要なポイント
教育施設を選ぶ際の重要なポイントは何かという問いに対して、一概には答えられません。なぜなら、それは選ぶ側の価値観や目的に大きく影響を受けるからです。したがって、自身の目的を明確にすることが何よりも大切です。それが明確になった上で、各施設の教育カリキュラムや施設の設備状況、そして教育のクオリティに対する料金、いわゆる学費の問題等をチェックしていくのがよいでしょう。
教育カリキュラムについて
まず、教育カリキュラムは、各施設が提供する教育の質を判断するうえで非常に重要な要素となります。その学びたい教科や技術がしっかりとカバーされているか、また、そのカリキュラムが自身の進行速度にマッチしているかどうかを確認しましょう。例えば、ある程度事前知識を持つ者向けのカリキュラムは初学者にとっては難易度が高すぎる場合がありますし、初学者向けのカリキュラムでは経験者にとっては物足りないかもしれません。また、カリキュラムの中身だけでなく、どのような教育方針を採用しているのか、どのような教育手段を用いているのかを把握することも重要です。
施設の設備状況
次に設備状況です。これについては直接その場に足を運んで確認することをおすすめします。インターネットの情報だけでは得られない“現地の空気”を感じることが可能です。特に確認すべきは清潔さと機能性です。使い捨て可能な消耗品の補充状況や清掃状況、設備の充実度等、日々の生活環境を左右する重要な要素を忘れずにチェックしましょう。また、専門的な設備が必要な場合は、その最新性や使用状況も確認することが重要となります。最近では、eスポーツに取り組めるサポート校もあるようです。
学費の問題
最後に、学費の問題です。高い学費がよい教育を保証するわけではありません。しかし、安価な学費が必ずしも効率的な学びを保証するわけでもありません。それぞれの施設で提供される教育内容や設備状況、教育カリキュラムを総合的に評価し、それに見合った価格であるかを判断する必要があります。また、長期間の受講を考えるなら、学費の支払い方法も考慮に入れるべきです。月々の負担が許容範囲内であるか、一括払いが可能かなど、融通の効く支払い方法が提供されているかも重要なポイントとなります。一般的に安い学費である場合は、その理由がありはずです。一方で、高い学費に見えても、やはりその理由があるはずで、お子さまの将来を左右する教育に対して、ご家庭がどのように考えるかが重要になるのではないでしょうか。
サポート校の見極め方
サポート校の見極めは、一見難しく思えるかもしれません。しかし、具体的な方法を理解していただくことで対応が可能となります。選び方の主なポイントは3つあります。専門的なカウンセリングサービスの有無、サポート校の評判や口コミの確認、そして直接見学して確かめることです。これらのポイントを意識し、自分にとって最適な通信制サポート校を選ぶ手助けになるでしょう。
見極め方
専門的なカウンセリングサービスの有無
サポート校では、教育に対する困難を抱えていることが一部の生徒にはよく見られます。そのため、専門的カウンセリングサービスが提供されているか確認が欠かせません。学校の専門的なカウンセリングサービスがあれば、悩みを抱えた際に専門的な視点で対応が可能になりますし、学習意欲の回復や生活習慣の改善など、生徒全体のサポートも期待できるでしょう。その選択肢として、非常に重要な視点から確認をすることをおすすめします。心理師ひとつとってみても、民間資格もあれば、公認心理師のような国家資格もあります。このような点もきちんとチェックすることが大切です。
サポート校の評判や口コミの確認
次に重要となるのは、サポート校の評判や口コミをチェックすることです。評判や口コミは、現在または以前に在籍した生徒からの生の声を聞くことができ、教育内容や環境、サポート体制等をより具体的に知ることが可能です。良い口コミや評判はもちろん、改善の余地がある点なども確認して、自分に合った環境かどうかを判断しましょう。
直接見学して確かめる
選び方の最重要ポイントです。最終段階としておすすめしたいのが、直接見学することです。この方法では、校内の雰囲気や先生たちの様子、授業の進行方法などを実際に感じることが可能となります。口コミも有力であるとお伝えしましたけれど、人はそれぞれですので、満足ポイントも異なるものです。他人に委ねず、自分自身の目で確かめるということは、資料やウェブサイトだけではわからない情報を得られ、最終的な判断の材料にできるでしょう。見学時には、事前に心に留めておきたい質問をリストアップし、必ず確認していきましょう。
見学時のポイント5選
- サポート校での学習環境
サポート校では、自分のペースで学べる環境が整っています。スケジュールに合わせたカリキュラムや、家庭学習と並行する形での授業が可能です。また、学習の困った問題に対する直接的なサポートや進学先に関する情報提供といった手厚い支援もあります。通信制の特性とサポート校の機能が組み合わさることで、豊かな学習環境が提供されています。 - サポート校での学習風景
サポート校での学習は、自主性を重視しながらも各種のサポートを受けられる環境です。すべての生徒が自己学習の時間を確保するためのスペースを提供され、個々に合わせた学習スタイルが可能です。質問や相談が生じたときには専任の教員が即座に対応します。先生と生徒の距離が近い学び舎だからこそ、生徒一人一人の成長を見守る教育環境が整っているのです。そうした風景はサポート校ならではの特徴です。 - 家庭学習のサポート体制
サポート校では、家庭学習の効率化を図るためのさまざまなサポート体制が進化しています。家庭学習の指導プログラムの策定、学習方法のアドバイス、学習計画の見直し等、各生徒の学習状況に合わせた提案がなされます。また、進行状況の確認や課題の解説も行われ、生徒が学習に取り組みやすい環境を提供します。これらのサポートは、生徒が安心して学び続けることができるための重要な要素になります。 - 進学支援の充実度
サポート校は、単に授業を受けるだけでなく、進学先の選択についても手厚くサポートします。各高校や大学への進学情報提供や、入試のトレンド情報、模試の組織、個別進学相談等、多岐にわたる支援内容が用意されています。さらに進学指導スタッフが、生徒一人一人の進学先を見つけるために必要な情報やアドバイスを提供します。これらの充実度は、生徒たちが安心して進学準備に取り組むことができるよう支えています。 - サポート校スタッフとの相性
サポート校で学ぶときに、支援してくれるスタッフとお子さまとの相性が重要になります。お子さまを支えるのは、カリキュラムや支援体制もさることながら、直接関わる支援者になります。見学に行けば必ずサポート校スタッフとの面談も組んでもらえるでしょうから、お子さま同席の上で面談に臨むか、体験学習などを行ってもらうとよいでしょう。サポート校一人ひとりのスタッフというだけではなく、スタッフ全体の雰囲気も重要な要素です。
親御さんが気になる疑問Q&A
ご両親の皆さまがお子さまの将来を案ずる心情を、私たちも深く理解しております。教育の形態は一つとは限りません。大事なのは、お子様が最適な学習環境で可能性を広げられることです。サポート校という選択肢もある中で、多くの疑問や不明点をお持ちでしょう。ここでは、頻繁に寄せられる質問を集め、回答していきます。
サポート校の卒業後の進路は多岐にわたります。大学、専門学校、職業訓練学校、就職など、一般の全日制高校と変わらない選択肢があります。サポート校は自己学習を重視するカリキュラムなので、自分の興味や目指すべき目標に対して自主性をもって取り組むことを学びます。したがって、多くの生徒が自己実現への具体的なステップとして、進路を選択します。就職を選ぶ生徒についても、企業は独自の視点や自主性を持つ人材を求めていますので、通信制卒業生は高く評価されることもあります。ただし、進路選択には個々の努力が必要です。一人ひとりの将来設計を見つめ直し、それに向けて自主的に行動する力が求められると言えます。
サポート校の初年度納入金は、約50〜120万円が目安と言われています。ただし、これには教材費やスクーリングのための交通費なども含まれます。また、サポート校は同時に通信制高校にも入学することになるため、通信制高校の費用も必要になります。通信制高校の学費とサポート校の学費の合計額がいくらになるのか、この点を明確に説明してもらえるサポート校であれば安心です。追加費用はないのか、ということもあわせて確認しておきましょう。低所得家庭の方などに対して、あるいは、何らかの条件を満たすことにより、奨学金制度が活用できるサポート校もあり、経済的な面での支援が受けられるかもしれません。学費が高額になる理由としては、専任の教師が一人ひとりの学習進度に合わせて指導を行うため、教師一人当たりの生徒数を少なく抑えているからです。これにより、集団教育では難しい個別指導が可能となります。
サポート校の生活リズムは一般の全日制高校とは異なります。講義は自宅で受けるようになっている方式のところもあれば、サポート校に通って受けられるようになっているスタイルもあります。通学は週に一度から数回行われ、教科指導や学習指導が行われます。生活リズムは学生自身で作り上げる方式もあれば、生活リズムも整える仕組みが入っている方式もあります。自主管理能力や時間管理能力がどこまで求められるのか、サポート校に聞いてみるとよいでしょう。また、趣味やアルバイト、ボランティア活動など、学習以外の活動に時間を充てやすいかどうかもサポート校によって異なります。
サポート校を選んだ保護者の声
サポート校という選択肢は、子どもたちが社会と接する新たな形となります。子どもたちが自身の創造性や個性を育む機会を持つことができる、と信じ選択した保護者たちの声を集めました。下記では、その理由や体験談を通じてサポート校の良さをご紹介したいと思います。
子どもの自立を促し、社会性を育む場としてサポート校を選んだ保護者たち。その中で子どもの成長を一番に感じているのが、「自主性」の育成です。サポート校では自己主導学習を推進し、子どもたち自身が学びたいものを追求する姿勢を育んでいます。これまで学ぶことについて消極的だった子どもが、自ら進んで知識を求めるようになったことで親として大きな成長を感じましたとの声があります。
また、サポート校では、親自身も学校と密接に連携し、 子どもの教育に参加することが強く推奨されています。これによって親子間のコミュニケーションが深まり、一緒に学び成長していく経験を得ています。保護者たちはこのような学びの場の提供に感謝しています。